ブランドMRを目指す前に認識すべき“5つのリスク”〜


 現在のMRは、次のような大きなリスクを抱えており、そのリスクがいつ表面化しても不思議ではない環境になりはじめている。ここで言うリスクとは、次に挙げるようなものである。

(1)企業の戦略が変わるリスク
 MRはいずれ、6万人規模になると言われている。そのきっかけをつくったのは、3000人を超えるMRを擁するファイザーである。外資系企業はトップが変われば、戦略が変わる可能性が高い。ファイザーがMRのリストラを始めれば、他の企業も追随することになるだろう。筆者はその時期を2007年と予想している。

(2)パテント切れリスクと副作用リスク
 日本市場のパテント切れについて書くのは、非常にセンシティブな問題を孕むので、ここではアメリカ市場について紹介したい。実は、2007年前後にパテント(物質特許)の切れる大型品の多い。
 このような大型品のジェネリックが登場すると、日本市場でも混乱するだろう。
 さらにCOX-2阻害剤バイオックスの発売中止問題など、製品が高度化すればするほど、リスクも伴い企業経営を揺るがす事態に陥るケースが今後も増えるだろう。

(3)MRの仕事を“e”と“P”に奪われるリスク
 ソネット・エムスリーの「MR君」に代表されるe-MRの需要は今後も増えていく。同社によると、「MR君年間既読メッセージ数600万突破(2004年12月)」と、鼻息が荒い。「e-MRにできない大事なこと」ができるMRは生き残るが、できないMR(ファーストフードの店員化したMR)は淘汰されることになる。
 一方、“P”すなわち、薬剤師の集団がMRの職を奪うことも考えられる。2004年5月8日に都内で開催された「第2回日本ジェネリック研究会」で講演した新潟大学医学部教授で附属病院薬剤部長の佐藤博氏は、「我々教育者がいずれはMRの職を奪うことになるかもしれない」と発言した。
 この発言は、医師の薬学知識が乏しいために、現在の薬物治療が、“MR Based Medicine”になっていることを危惧したことによるものだ。
 薬剤師の存在価値がこれまで以上に問われ出すと、「MRを敵にして存在価値を示す」という戦略に打って出ても不思議ではない。

(4)制度改革のリスク〜とくにDTC解禁〜
 DTC広告(消費者に製品名で広告すること)が解禁になれば、日本の製薬企業もアメリカのように、DTC広告に莫大な資金を投入するはずだ。
私が経営者であれば、ぶら下がりMRをリストラし、マーケティング部門を強力にし、全国の専門医、患者とのコミュニティづくりに力を注ぐ。
 DTC広告が解禁されれば、MRがどんなにディテールしても、患者の一言で変わってしまうのである。他業界では当たり前の“情報化”が医療界にも押し寄せる意味を、もっと真剣に考えたほうが良い。
 情報化の恐怖は、「消費者が望んだ商品を揃えてない(提供できない)店は見放される」ということである。
 今の医師とMRの関係をみても分かるだろう。医療界のプロ同士ではすでに情報化が進んでいる。このような状態では、医師が望んでいる情報を持っていないMRは、市場価値ゼロである。
 他にも、医療制度改革により、顧客の医薬品需要が激減するというリスクもある。

(5)M&Aリスク
 これは説明するまでもないだろう。4月に誕生するアステラス製薬が、さらなるM&Aを展開したらMR数はどうなるだろうか。同じ地域で同じ役割の人間は2人も必要ない、と判断するはずだ。

※「Monthly ミクス」に連載中の「中堅MRブランド化プロジェクト」から抜粋したものです。

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 今回も最後までお読みくださってありがとうございましたm(._.)m

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