今後のMR・MS像を導くための3つのポイント

 

 他誌の編集者から「看護婦法の改正に伴って看護婦の名称が看護師に変わったが、そのことについて辛口コラムを書いて欲しい」という依頼があった。この改正の流れについてはまったく知らなかった(興味がなかった)のだが、チャレンジ精神で引き受けることにした。

 まず、「婦」と「師」の違いを改めて辞書で調べてみたのだが、それだけで、コラムの全体像が浮かび、内容をまとめることができた。辞書には「婦」は『子の妻。よめ』と書かれており、一方の「師」は『特定の技能を身につけている人であることを表す語』と書かれていた。従来の看護婦は、まさに病院の嫁のような存在だったのだから、これからは主人として努力するべきだ、というようなことを書いた。

 “肩書き”というものは思いの外、重要である。例えば最近では、アルバイト社員のことを「アソシエイト」や「フェロー」と位置付ける企業が増えている。やらされる業務はまったく同じなのに、「アソシエイト」と呼ばれるだけで、彼らのモチベーションは格段に違ってくるという。

 翻ってこの医療業界においても、MR・MSという呼称になって長い年月が過ぎたが、ユーザー側が「劇的な変化を実感している」という話は残念ながら聞かれない。毎年、この新人研修の時期になると、これからのMR像、これからのMS像をテーマに新人向けの講演を頼まれる読者が少なくないと思う。筆者も情報提供の相談を受けるが、業界として、企業として、誰もが納得する「今後のMR・MS像」というものを提示していただきたい。

 このようなビジョンが不在のまま、MRの大幅な増員、領域制MRといった、プロダクトアウト的な手法を推し進めれば、失敗してしまう可能性も出てくる。そこで、まず行うべきこととして提案したいことが3点ある。

 第一に、「自社のMR(MS)活動の満足度が高く、自社のシェアも高い得意先を調査してピックアップすること」。第二に、「その施設の中で誰が満足し、誰が不満を持っているのかを把握すること」。第三に、「彼らが満足している(不満を持っている)理由を明確化すること」である。このような3つの分析を行うことにより、自社製品のラインナップに最も適したMR(MS)活動を実現できるだろう。何も手を打たなければ、満足度が低いにも関わらずシェアが高い得意先での実績が落ちていくことは明らかである。もちろん、満足度が高いのにシェアが低い“都合のいいMRと思われている得意先”への対応も再考しなければならない。サービスを提供する側と受ける側のメリットが均等でない場合、その関係は必ず滅びる。これがビジネスである。

(初出2002/05/15)

 

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