マーケの授業の題材になった製品

 

 先日、ビジネスパーソンを対象にしたマーケティング講座を受講している勉強仲間から、「次回の講座の課題が『エスエス製薬のハイチオールCについて』となっているのですが、ご意見をいただけませんか」と相談された。

 「ハイチオールC」は1972年の発売当初、全身倦怠と二日酔いの中年層をターゲットにしていたが、ドラッグストアブームを受けて1998年からターゲットを高校生やOLに変更。効能もシミ、そばかすの美白を打ち出した。さらに低価格にした結果、売上が大幅に上昇し、エスエス製薬の“大器晩成型”商品となった。

 「月刊経営塾」の2002年12月号にエスエス製薬の 萱生統社長の記事が掲載されている。

 「薬局に来るお客さんの2/3以上は主婦。亭主用にと思っていたら、自分にも効き目があると知ったら、しっかり者の奥さんは手を伸ばすと思ったのです」

 まさにマーケティングである。他にも、学校の保健室に「ハイチオールC」を無料で配布したことが紹介されている。未来の顧客に対する"刷り込み"が目的だったのであろう。

 このようにOTC市場では教科書に出てくるようなマーケティングの成功例が出てきた。医療用医薬品の患者直接広告(DTC)が解禁された時、各製薬企業はマーケティングの授業で出てくるような成功例をつくることができるだろうか。それにはまず、現場の者たちが「ハイチオールC」の成功例のように、マーケット・インの発想を持たなければならない。