伝わらない11番目の情報

 

   
 先日、某製薬企業の研修部を訪問した際に、MRへの情報配信における問題点について話を伺うことができた。

 この企業では、MRに業界関連情報をメールで配信していた。紙で渡すよりもメールで配信した方が、「MRが読みたくなければ削除すればいいし、読みたい情報は保存するに違いない」と考えたためだ。

 しかし、現実は厳しかった。現場のMRからクレームが来た。「必要のない情報をメールで送らないで欲しい」と。MRは11番目の情報には興味があったが、1〜10番目の情報には興味が全くなかった。11番目を一番先に送って欲しい、後は必要なしというわけだ。この辺がデジタル情報の難しいところである。

 アナログ、つまり新聞や情報誌の場合は、関心のある情報に自然と目が行くが、デジタル、特にメール配信は自分が好む情報も好まない情報も同じように配信されてくる。これが繰り返されると、“メールの情報=うざったくて価値がない”という公式が出来上がる。

 このような製薬企業本部の悩みを紹介したのは、MRが医師・薬剤師に行っている活動も、前述のメール配信のように、相手が興味を持たない1〜10番目の情報を先に提供していないだろうか、ということを考えていただきたいためだ。肝心な情報を理解してもらえない時の被害者は、結局患者なのだから。