心か尻か?

 

 異業種の友人と勉強会を毎月開催している。先日の勉強会では、アミューズメント系企業に勤務する人が「うちの課長たちが最近、やる気を出し始めたんですよ」と発言したので、筆者は次のように質問した。

 「心に火が点いたの? それとも尻?」

 心に火を点けるのも、尻に火を点けるのも、組織の“シクミ”次第である。

 話を聴いてみたところ、友人の会社の課長たちは、心に火が点いた様子だった。これまで戦略(企画部)と戦術(現場)にギャップがあったが、課長が積極的に企画に関与するようになったため、イキイキしてきたという。つまり、コミュニケーションが改善し、課長も企画部の意見に耳を貸すようになった結果、お互いの専門を尊重し始めたのである。「マズローの欲求の階層」が見事に当てはまる事例だ。

 一方、“尻”に火を点けるシクミは、経営者だったらやりやすい。成果主義にして、全社員のボーナスを公開してしまえば、ある程度は尻に火を点けられる。おまけに、いくら言ってもダメな社員が自発的に辞めるシクミにもなる。

 マネージャーの立場では、タテとヨコとのコミュニケーションによって、部下の心に火を点ける一方、部下の“言い訳”(都合の良い解釈)を認めないことで尻に火を点けたい。