美人にも悩みはある

 

 
 ユート・ブレーンには、医薬品業界向けの研究会がいくつかある。その中で、著名な医療機関の先生方をお招きし、マスコミの前では話せない情報を提供していただいている。ご参加くださる製薬企業、医薬品卸の管理職の方々は、そこで得た情報を自社の戦略や研修に活用している。

 最近では、超ブランド病院の企画部門に携わっておられる先生にご講演いただいた。Z病院は数年前から外来患者の多さに頭を悩ませている。つまり、モテすぎるのだ。まるでサッカーのベッカム選手が大勢の人からサイン攻めに遭って困惑しているようなものである。

 ご存知のとおり、大病院の医療機能は厚生労働省の政策により、入院に特化しなければならない。逆に外来患者は地域のかかりつけ医に任せるように、診療報酬点数で誘導されている。そのため、Z病院の外来部門の収支は赤字が増すばかりとなっている。まるで、バレンタインデーでもらったチョコレート代よりも、ホワイトデーのお返し代の方が高くついてしまったようなものである。これが、大病院、ブランド病院の最大の悩みの一つである。

 Z病院には、MBAホルダーを始めとした優秀な職員がプロジェクトを組んで外来患者の“抑制マーケティング”に取り組んでいるが、他の病院では、問題を解決できないケースが多いと思う。重要顧客の悩みは何か?常に意識したいものである。