上善如水

 

 
 先日、中国文学者の守屋洋氏の講演を聴いた。厳しい状況の時には、中国古典から学べる点が多いことを実感した。

 タイトルの「上善如水」の意味は、「理想的な生き方は、水のように生きること」である。

 水には3つの特徴がある。
 1つ目は、水は器によって形を変えることができる。丸い器に入れれば丸くなり、四角い器に入れれば四角くなる。つまり、相手次第で態度を変える柔軟性があり、組織も水のように常に柔軟性を心がけなければならない。

 2つ目は、高い所から低い所に流れることだ。人は低い所にいくことを嫌がるが、他の人が嫌がることをする謙虚さも必要だ。

 3つ目は、いざとなれば能力を爆発させる力強さがあることだ。“ここぞ”という時には、一気に攻めることがビジネスには必要である。

 もう一つ、「狡兎三窟」という言葉がある。これは、「賢いウサギは3つの穴を持っている」という意味で、リスクマネジメントの思想である。日本では「国が何とかしてくれる」と心のどこかで思っている人が多いようだが、中国ではそのような考えを持つ人は皆無で、必ずリスクマネジメントの考えを持っているそうだ。

 人の上に立つリーダー、マネージャーには、上善如水と狡兎三窟の思想が大いに参考になるに違いない。